働き方改革 組合事例2018年実績
流通・サービス・製造業の労働組合が加盟する産業別労働組合のUAゼンセンはこのほど、2018年5月末時点での2018労働条件闘争状況をまとめ、働き方の改善等について、労働時間等改善が延べ114組合だったと発表した。
所定休日増等が48組合、勤務間インターバル規制の導入等で22組合、定年年齢を65歳に延長で6組合、均等・均衡処遇の改善で16組合、仕事と家庭の両立支援が延べ47組合、ひとり親の処遇改善の取り組みで5組合が労使合意するなど、多くの組合で進展がみられた。
<定年年齢の内訳>
65歳以上の定年を確認している組合は、パートで115組合(33.2%)、契約社員で27組合(19.4%)。
勤務間インターバルは、勤務終了後、一定時間以上の休息期間を設けることで、働く方の生活時間や睡眠時間を確保するもの。
■所定休日増、所定労働時間短縮48組合
・所定休日15日増(ジョイフル労働組合)
・所定休日12日増(オートバックス長崎ユニオン)
・所定休日10日増(アークスグループ労連北海道シジシー労働組合)
・所定休日8日増(SSUA柿安ユニオン)
・所定休日5日増、一日の所定労働時間短縮(レナウン労働組合)
・所定休日5日増(全ユニー労働組合、はせがわ労働組合、リゾートトラストユニオン)
・所定休日4日増(イオン労連イオンベーカリー労働組合)
・所定休日3日増(ミスターマックス労働組合、イオン労連イオンペットユニオン、全ヤオコ
ー労働組合、サッポロドラッグストアーユニオン、ドラッグユタカユニオン)
・所定休日2日増、所定労働時間短縮(北海道プリマハム労働組合)
・所定休日2日増(5組合)
・所定休日1日増(27組合)
・所定労働時間の短縮(4組合)
■勤務間インターバル規制の導入・延長22組合
・インターバル11時間(7組合、イズミヤ労働組合、アークスグループ労連フクハラ労働組合、アークスグループ労連東光ストア労働組合、イオン労連イオングローバルSCMユニオン、北信越ジョーシン労働組合、北雄ラッキー労働組合)
・インターバル10時間(8組合、セブン&アイ労連イトーヨーカドー労働組合、全ユニー労働組合、ビックカメラ労働組合、イオン労連イオンマーケット労働組合、イオン労連OPAユニオン、さとう労働組合、SSUAザ・クロックハウスユニオン、イオン労連イオンファンタジー労働組合)
・インターバル9時間(3組合、テンアライド労働組合、コナミスポーツクラブユニオン)
・インターバル8時間(3組合、島忠労働組合、まるごうユニオン、ダスキン労働組合)
・インターバル10時間を11時間に延長(アークスグループ労連ラルズ労働組合)
■年次有給休暇の取得促進19組合
・有給休暇計画取得1日(ヤマダ電機労働組合)
・年10日以上年休付与者について年5日間以上取得に取り組む(イオン労連マックスバリュ中部労働組合)
・計画取得1日増で年間2日に拡充、半日有給休暇制度の導入(上新電機労働組合)
・計画的取得年休1日を3日に拡充(京王プラザホテル労働組合)
・半日有給休暇制度の導入(SSUA全京樽労働組合)
・4連続休暇制度の4連休における1日を年次有給休暇として実施(ベスト電器労働組合)
・年次有給休暇を年間最低6日以上取得できるように連休制度の拡充(全ヤマナカ労働組合)
・年休5日未満の組合員をなくし、平均10日取得をめざす(ディノス・セシールユニオン)
・年休の計画的取得等で取得ゼロの組合員を出さない。計画有休制度は、公休日と合わせて5連休を推奨(ダスキン労働組合)
・計画年次有給休暇制度1日を2日に拡充(ビックカメラ労働組合)
・職場・個人ごとの年休の取得状況や計画を労使で確認し取得推進に取り組む(イオン労連マックスバリュ東海MYユニオン)
・計画年休2日を導入し、上期下期各1回2日の連続休暇制度導入(天満屋ストア労働組合)
・連続休暇制度(有休3日間)を2018年度中に導入(イオン労連山陽マルナカ労働組合)
・連続休暇制度(上期・下期各連続3日間)を導入(アークスグループ労連フクハラ労働組合)
・年休の計画取得を3日から5日へ2日増(全東急ストア労働組合)
・年休の計画取得(年間3日以上)(カンセキユニオン)
・有給休暇計画付与を2日増やして7日間とし、取得を徹底する(イオン労連イオンクレジットサービスユニオン)
・年休の計画的付与を2日増やし8日に(ダイナムユニオン)
・計画有給年間2日とし、メモリアル休暇、夏季休暇取得時にそれぞれ1日ずつ取得(北信越ジョーシン労働組合)
■失効積立有給制度の拡充7組合
・失効(積立)年次有給日数20日を40日に拡充(ミスターマックス労働組合)
・治療目的でも使用できるよう積立有給休暇の取得要件を拡大(ダスキン労働組合)
・年次有給休暇の失効積立制度・5日分を時間単位で取得可能とする。1年当たり最大5日間、累計40日間で積立実施(イオン労連イオンタウンユニオン)
・失効年休積立制度の利用範囲拡大(日本メナード化粧品ユニオン)
・ストック年休制度の取得事由に本人入院を追加(セブン&アイ労連ロフト労働組合)
・私傷病時の他、育児・介護でも利用できるよう拡大(ロイヤルグループ労働組合)
・失効年休積立で、最大60日間まで私傷病療養で利用可(はせがわ労働組合)
■営業時間の短縮1組合
・14店舗で営業時間30分短縮(上新電機労働組合)
■時間外労働等の割増率向上2組合
・ミッドナイト勤務で時間外労働割増率の月間60時間未満25%を30%(SEIYUグループ労連西友労働組合)
■時間外労働(36協定、特別条項付き協定)の上限時間の短縮6組合
・特別条項撤廃(一部新規店舗除く)(全ヤマナカ労働組合)
■休暇制度の導入・拡充7組合
・アニバーサリー休暇の創設(オークワ労働組合)
・ボランティア休暇(特別有給休暇)の使用事由拡大:アソシエイトが居住する地域の自治体や町内会が行う地域活動に参加する場合を追加(SEIYUグループ労連西友労働組合)
・育児休暇の使用事由拡大(有給5日+無給5日):子の入園式や卒園式などの行事への参加と幼稚園・保育園の休業日に取得を追加(SEIYUグループ労連西友労働組合)
・記念日休暇として年間3日の有給休暇を導入(イオン労連マルナカ労働組合)
・正月休を取得できる期間を12/26~1/31の期間に拡大(セブン&アイ労連ロフト労働組合)
・長期休暇の取得方法を拡充(イオン労連イオングローバルSCMユニオン)
・新入社員の最初の上半期分に限り、3日分の特別休暇付与(サガミチェーン労働組合)
・特別休暇(配偶者出産休暇、服喪休暇)の見直し(イオン労連イオンディライトセキュリティ労働組合)
■定年年齢延長8組合
・60歳から65歳へ定年延長(6組合)
(イオン労連マックスバリュ九州労働組合、イオン労連イオンベーカリー労働組合、ダイナムユニオン、ココスジャパンユニオン)
・60歳から62歳へ定年延長(マキヤグループ労働組合)
・60歳から61歳へ定年延長(イオン労連マルナカ労働組合)
■定年年齢延長について協議会設置などによる継続協議84組合
■均等、均衡処遇の取り組み16組合
・パートタイマーの一時金制度の新設(アレフユニオン)
・契約社員の一時金制度の新設(イオン労連イオントップバリュワーカーズユニオン)
・契約社員の一時金算定基礎項目に精皆勤手当を追加(アルペン労働組合)
・契約社員の退職金制度の新設(イオン労連イオン九州労働組合、コーナン商事ユニオン、セブン&アイ労連そごう・西武労働組合)※パートタイマーや契約社員の新設に向けて継続協議11組合
・パートタイマー、契約社員の慶弔休暇を社員と同様に改善(さとう労働組合、イオン労連マックスバリュ中部労働組合、全ヤオコー労働組合、イオン労連イオンファンタジー労働組合)
・契約社員に家族手当の増額(アルペン労働組合)
・パートタイマーに失効積立有給制度を導入(上新電機労働組合)、無期転換者に失効年休積立制度を適用(はせがわ労働組合)
・契約社員の年間休日を社員と同一に(年間所定休日4日増で116日)(イズミヤ労働組合)
・定時社員に連続3日の結婚有給休暇創設とエリア専任職への積極的な登用(ダスキン労働組合)
・非正規である地域限定フルタイマーの正社員転換制度の設置(オレンジフードコートユニ
オン)
■育児時間短縮勤務の適用期間延長10組合
・3歳までから小学校入学時までに延長(レリアン・フレンドシップ・サークル)
・3歳未満から小学校3年生年度末に延長(コモディイイダ労働組合、SSUA三鈴ユニオン、ダスキン労働組合)
・小学校就学前から小学校3年生3月末までに延長(ルックユニオン、SSUAシダックス労働組合、SSUAシダックス・コミュニティーユニオン)
・小学3年生修了から小学6年生修了に延長と短縮時間の拡充(最大2時間から最大3時間へ)(スギ薬局ユニオン)
・6歳(小学校入学時)から12歳(小学校卒業時)に延長(ぱぱすユニオン)
・子が中学校に入学する時点(4月)までに延長(レリアン・フレンドシップ・サークル)
・小学校3年生へ進級した後の最初の4月20日までの期間を、中学1年生に進級した後の最初の4月20日までへ延長(イオン労連ミニストップユニオン)
■育児勤務の体制整備11組合
・小学3年生までの子供がいる労働者の働き方選択肢を整備・土日祝の休日・時間帯固定勤務等(スギ薬局ユニオン)
・正社員の地域限定制度導入(全ユニー労働組合)
・正社員コース制度の見直し(ダイナムユニオン)
・テレワーク勤務規程の整備、運用(レナウン労働組合)
・年5日間の特別休暇の付与、育児、介護、看護と仕事の両立支援(レナウン労働組合)
・失効分の年次有給休暇1年に4日、最大100日まで積み上げ、育児・介護、私傷病に特化した事由のみ取得できる有給制度を導入(アークスグループ労連ラルズ労働組合)
・ほほえみサポーター手当(店頭販売員における、スタッフが育児中でシフト固定などを支える周囲スタッフへの手当支給)(レナウン労働組合)
・育児休職期間の変更回数を1回から上限3回まで延長(2019年度から導入)(イオン労連イオンフードサプライ労働組合)
・出産後、勤務と子育てを両立して行う場合、条件に応じ「両立支援手当」を支給(サガミチェーン労働組合)
・子供看護休暇の対象者を小学3年生までから6年生まで拡大する(イチカワユニオン)
・育児中社員の所定外労働・法定時間外労働の免除、子が中学校に入学する時点(4月)までに延長(レリアン・フレンドシップ・サークル)
・失効年休積立制度の利用事由に育児・介護を含める(はせがわ労働組合)
・短時間勤務者の半日有給休暇取得可能(電波学園グループユニオン)
■介護勤務の両立支援6組合
・介護勤務について、最初は2年間で更新し、年数制限なし(※詳細確認中)(イオン労連OPAユニオン)
・介護休職期間の延長(現行1年を最長2年まで)(イオン労連マックスバリュ九州労働組合)
・失効分の年次有給休暇1年に4日、最大100日まで積み上げ、育児・介護、私傷病に特化した事由のみ取得できる有給制度を導入(アークスグループ労連ラルズ労働組合)
・介護有給休暇制度の積立てることができる年次有給休暇の上限を50日(現状は40日)とする(マルエツ労働組合)
・1日6時間勤務、利用回数制限が2回から制限なし(利用期間は開始日から3年間)(ダイナムユニオン)
・同居家族看護に対しての特別有給休暇5日間付与を2019年度より正社員に導入(後に、パート社員への拡大予定)(イオン労連イオンフードサプライ労働組合)
■健康経営に関する取り組み8組合
・健康促進有給休暇の新設(ダイナムユニオン)
・健康経営推進に向け、健康診断の100%受診と、要治療者・要検査者への改善アプローチをイオン健保と連携して強化(イオン労連イオンリテールワーカーズユニオン)
・企業、共済会、労組で健康経営に向けて、ホワイト500(健康経営優良法人)登録に向けて取り組みを進める(全ユニー労働組合)
■ひとり親の処遇改善の取り組み5組合
・パートタイマーに対する「ひとり親の家族手当」を新設(ウオロク労働組合)
・ひとり親家庭の相談体制を整え、公的な支援制度については各行政によって制度が異なるため各行政窓口を案内し、会社の支援制度については気軽に相談できるサポート体制を構築する(ダスキン労働組合)
・相談窓口の設置を合意(島忠労働組合)
・転勤一時免除の賃金減額対象外事由に「小学6年生以下の子を自ら養育する父子家庭・母子家庭」を加える(セブン&アイ労連ロフト労働組合)
・一部のコミュニティ社員以上のひとり親世帯に「子女手当」を支給(ダイエーユニオン)