第18回眼鏡関連業種労働組合連絡会議

日時 : 平成30年12月12日

場所 : ウインクあいち1204会議室

〇各単組の近況報告

〇改正労働基準法の対応について

〇各単組からの質問事項について討議

・・・働き方改革で、有給休暇5日間所得の義務化について対策など・・・

・・・防災マニュアル、社内資格による手当て、社内SNS対策など・・・

 

 

2019年4月の「働き方改革」へ労働基準法改正について

2019年4月、日本の労働基準法が変わります。「働き方」という日本の企業文化に対する改革を求める内容となっています。これにより、各企業も働くためのルールである就業規則の見直しに着手する必要があります。

就業規則改正のポイント

【ポイント1】
時間外労働の上限規制の導入【施行:2019年(中小企業2020年)4月1日~】
時間外労働の上限について、月45時間、年360時間を原則とし、
臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、
複数月平均80時間(休日労働含む)を限度に設定する必要があります。

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【ポイント2】
年次有給休暇の確実な取得【施行:2019年4月1日~】
使用者は、10日以上の年次有給休暇が付与される全ての労働者に対し、
毎年5日、時季を指定して有給休暇を与える必要があります。

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【ポイント3】
正規・非正規雇用労働者間の不合理な待遇差の禁止【施行:2020年(中小企業2021年)4月1日~】
同一企業内において、正規雇用労働者と非正規雇用労働者(パートタイム労働者、有期雇用労働者、
派遣労働者)の間で、基本給や賞与などの個々の待遇ごとに不合理な待遇差が禁止されます。

【参考】

:年次有給休暇の取得義務化
労働基準法の第39条では、企業が一定日数の年次有給休暇を労働者に対して与えることが義務付けられています。現状、日本における年次有給休暇は50%未満にとどまっています、
今回の改正労働基準法においては、年10日以上の有給休暇が付与される労働者について、5日間は取得が義務づけられることになりました。取得させない企業については罰則の対象となります。

:勤務間インターバル制度
「働き方改革」のテーマの中でも、仕事と仕事の間の休息の時間に着目したのが勤務間インターバル制度です。勤務間インターバル制度は、勤務の就業時間と翌日の開始の間を一定時間空ける制度です。
例えば、9時~17時の就業時間の企業で23時まで残業が発生したケースでは、終業となった23時から11時間以上経過していないと働かせてはいけない、という制度です。これは、長時間労働による健康被害を避けるという意味で、重要な意味を持ちます。
深夜まで残業が続いているケースなど、過労死予防の観点から、改正労働基準法の中に規定されることになりました。
当然、就業規則の見直しの中にも、この勤務間インターバルの規定は必要となります。いまや、国際基準となりつつある11時間の勤務間インターバルに係る規定を就業規則の中に記載するということです。

:同一労働同一賃金導入
働き方改革のポイントの一つが、非正規雇用(パート、アルバイトなど)と正規雇用の間の不合理な待遇差の解消です。
例えば、同じ職場で同一の業務を担当している有期雇用労働者と無期雇用労働者が同じ時間働いたとしたら、報酬額も同じでなければいけない、という考え方です。
日本では、フルタイムの正社員(無期雇用労働者)に比べ、有期雇用の労働者の賃金が低く抑えられる傾向にありました。これからの時代は、同一労働同一賃金導入に向けた就業規則の整備が求められます。

:残業時間の上限規制
日本企業では、「働きすぎ」「過労死」「うつ病」という長時間労働によるマイナスイメージが広がっていました。
2019年4月に改正される労働基準法では、残業時間について上限規制が定められることになりました。もし、残業させるならば、企業が労働者の代表と36協定を締結して、労働基準監督署に届け出ることで可能となっていました。
労働基準法36条に定められる36協定においては、1カ月あたり45時間、1年間360時間という限度時間が設けられています。さらに、特別条項付の協定を結べば、年に6カ月までは納期やクレーム処理などの臨時的な特別事情がある時に、限度時間を超えて労働させることが可能でした。
「働き方改革」を意識した改正労働基準法においては、以下の三点がポイントです。

〇臨時的な特別な事情がある場合でも、限度時間は720時間を上回れない
〇休日労働を含み、月100時間を超えない
〇2~6ヶ月の期間いずれも、休日労働を含んで月平均80時間以内とする
1~3の内容を就業規則に明示する必要がありますし、もしこの限度を超えてしまうと新たに規定される罰則の対象となってしまします。各企業については、改正労働基準法の施行後は、新たな36協定を締結する必要が出てきます。

:高度プロフェッショナル制度
高度で専門的な知識を持つアナリスト・プログラマー・コンサルタントなどの職種の人で、年収1075万円を超えるような労働者について、新たに高度プロフェッショナル制度が導入されることになりました。これは、今回の改訂労働基準法の中でも、目玉の1つです。
労働者本人の希望が前提となるのですが、裁量労働制で労働時間管理の対象から外すという制度になります。
高度プロフェッショナル制度に該当する労働者については、健康確保措置を1つ以上取り決めしなくてはなりません。
休日については、年間104日以上、4週間で4日以上の休日を、対象となる労働者の健康維持のために定めることも義務付けられます。
給与が成果によって決まり、勤務時間には縛られないという利点があるものの、「残業代ゼロ」というマイナスイメージがあるのも事実です。
就業規則の中に規定する場合、該当する労働者と非該当の労働者について、二重の基準で労務管理が求められます。
社員の合意を得た上で、注意深く就業規則の内容に盛り込んでいく必要があります。

36協定の内容の確認と再検討が必要です。

参照
雇用・労働 「働き方改革」の実現に向けて(厚生労働省)