給与制度について考える1
基本給と手当の持つ役割とは・・・
毎月支給される賃金が、基本給一本で他に手当と称するものがないとしたら、どんなりすっきりとするだろうが実際はそうはいかないようだ。なぜかというと、賃金は二つの異なる要素で決めなければならない。
一つめの要素は、労働者が従事する仕事の質量又は職務能力の種類と大きさ。職務・職能要素をもって賃金を決めるものである。
もう一つの要素は、それで生活が出来るという生計費要素が重要である。いくら能力の低いものでも食えない賃金ではしょうがない。
これらの二つの要素は、似ても似つかない異質な要素であるが調和させる形で賃金体系を決めなければならない。もしどちらかの要素だけで決めようとすると、年齢が高く家族が多くても、能力が低いと低賃金で生計費が足りない。また仮に生計費だけにウエイト置くと能力が低くても家族持ちだと高い賃金を支給しなくてはならず人件費オーバーになる。
最近の傾向では、職務・能力要素に重いウエイトを置き、生計費要素は副次的・補完的なウエイトをもって手当を決めるのが今日の考え方のようです。
職務・職能要素に高いウエイトを置く場合、役職・役割などで能力の高い者として高賃金者はよいが、低賃金者で高齢・家族持ちのものは食っていけない。対策として、夫婦共働きになるがそれでも対応できない場合もある。
給与制度の対策として、手当で補てんすることで是正される。
要約すると、賃金は基本給を主体として職務・職能基準にウエイトを置いて水準を定め、手当には基本給の補完的役割を果たしてもらうことにより問題解決するわけである。