女性活躍推進会議研修
平成 29 年度 女性活躍推進会議研修 報告
日時;平成 29 年 11 月8日・ 9 日
8日内容:女性店長からの仕事への取り組みについて
9日内容:働く私のマネジメント&キャリアビジョン研修
9日講師;赤穂幸子氏(元東急ハンズ フロアマネージャー)
参加者;アイガン女性活躍推進会議メンバー24 名(女性 22 名、男性 2 名)、4~5 人で 1 テーブルの 5 グループ
研修内容を報告します。
8日は、13時から大阪本社会議室で女性店長3名にきてもらい、どのようにして店長になったか、どのように店長職に取り組んでいるかなど話してもらいました。名古屋メンバーは補聴器の山本さんしか参加できませんでしたが、東部の女性は店長を目指している人も何人かいたのでとても有意義な会議になりました。
9日は、朝から大阪本店で外部講師の赤穂幸子先生に、『働く私のマネジメント&キャリアビジョン』をテーマに研修していただきました。
マネジメントスキルとしては、リーダーシップとフォロワーシップの両方を持つことの重要性。リーダー的役割を担う上でセルフマネジメントをし、ストレスに耐性をつけるなどのテクニックを学びました。
講義だけでなく色々ワークショップをしながらの楽しい研修でした。
研修中は5~6名づつの固定席なので、他の人達との交流がないですが、研修後の懇親会では沢山の人と話せました。何よりエリアを越えて30名近い人数の女性が集まる機会はほぼないので、情報交換含め、とても有意義な会でした。
女性活躍推進法とは…(昨年の研修より)
- 女性に対する採用、昇進等の機会の積極的な提供及びその活用と、性別による固定的役割分担等を反映した職場慣行が及ぼす影響への配慮が行われること
- 職業生活と家庭生活との両立を図るために必要な環境の整備により、職業生活と家庭生活との円滑かつ継続的な両立を可能にすること
- 女性の職業生活と家庭生活との両立に関し、本人の意思が尊重されること
⇒ 女性男性に関わらず、全ての社員が各自の持つ力を最大限に発揮して、組織と個人の成長に 貢献できる環境・風土を実現する
⇒ 組織として①慣行の見直し(性別役割、意識、評価基準)、②キャリア形成(中長期的な視点で)、③長時間残業の削減(休日取得、業務分担)、が求められる
今回の研修テーマ「働く私のマネジメント&キャリアビジョン」
~変化に柔軟に適応できる力を磨き、キャリアを切り開く~
- 次のステージのキャリアに進むために、昨年は“過去~現在を知り、将来をイメージする”、今回は“リーダーまたはそれに準ずる役割を担う考え方のスキルを得る”
- 目標は、“変化に適応していく”こと。転機に感じる不安を除いていき、転機を乗り越える考え方を身に付ける
- 適応力の重要性…社会が急速に変化していく中で、希望を持ち、意欲と能力を十分に発揮して働き、生きていくためには、変化し続ける社会、組織、職場、仕事に対応、適応し続ける力が必要
⇒働き方、生き方への主体性(どのように働いていくか、生きていくか)と積極的な働きかけ
(どのように仕事、組織に働きかけていくか)を自分自身に問いながら学んでいく
キャリアとは…
- 語源は“キャリエール”…轍(わだち)、コース、人生の道筋。一般的に「経歴」、「経験」、「発展」、さらには「関連した職務の連鎖」等と表現され、時間的持続性ないしは継続性を持った概念とされている。“キャリア”を積んだ結果として、「職業能力」が蓄積されていくもの
- 予測のつかない不透明なこの時代に、自分の職業人生をどう構想し実行していくか、また、現在の変化にどう対応すべきか、各人自ら答えを出さなければならない状況になってきている
- 個人主体のキャリア形成の動きを積極的に位置づけ、企業や社会の活性化を図る方向に向けていくことが重要である
- キャリア形成力の要素
- 自律性…自分自身のキャリア形成や継続的成長に取り組もうとする意欲、コミットメント
- アイデンティティ…自分の強みや弱み、性格、価値観などを統合した、肯定的かつ一貫性のある認識
- 適応力…環境の変化に対してキャリアの道筋を柔軟に変更したり、アイデンティティを修正したりしていく力(今回のテーマ)
- キャリア形成のステップ
- 社会背景の理解
- 自己理解(特性、能力、価値観等) 銀行のリストラ、AI の導入など
⇒自己理解の方法
- 行動特性の把握
- 仕事(キャリア)の棚卸
- 就業能力の分析
- 周囲からの評価
- 企業ニーズの把握
- 目標設定
- 行動計画
- 日々の実践
- 管理職はマネジメント能力がある人だと思われる。リーダーシップ等のスキルが求められる
- トランジション(キャリアの転機)を考える
- トランジションとは通常、移行、過渡期などと訳されるが、キャリアの分野では“転機”、“節目”を表す。キャリア発達の過程においては、節目のストレスが生じることも多く、その後に影響を与える。節目のストレスに何があるのかを知り、転機を乗り越える考え方からヒントを得ていく
- 人生の季節…人生を四季に例え、「冬が来ればまた春が来る。比較的安定した時期と、季節の変わり目のような不安定な時期の繰り返しである」
- キャリアサイクルモデル組織と個人のキャリアの関連性を踏まえ、組織内キャリアの 9 つの発達段階と課題を整備し、自分のキャリア発達段階がどの時期なのか、その時期には何を期待されているのかを意識することが大切。時代や環境により時間軸にズレがあることを踏まえつつ、職業人として段階的にキャリアを積み重ねていくプロセスとその課題を把握してみましょう
発達段階 | 課題 |
1.成長、空想、探究
(0~21 歳) |
職業選択の為の基準を形成する
自分の価値観を見つけ、能力を開発するための教育を受け、体験を重ねる準備段階にあたる時期 |
2.仕事の世界へのエントリー
(16~25 歳) |
初めての組織に入り、職業に就く
組織における仕事の仕方を学びながら、自分の立ち位置や役割を見出そうとする時期。初めての組織は今後の人生に多大な影響を与える |
3.基本訓練
(16~25 歳) |
実際に仕事に取り組み、日常業務に対応する
仕事や職場の現実を知って受けるショックなど、困難に直面しながらも乗り越えていく時期。最初の上司や同僚たちと人間関係を築き、組織の文化や規範を受け入れて職業生活に適応し、徐々に組織メンバーとして定着していく |
4.キャリア初期
(17~30 歳) |
責任の一部を引き受け、正式な役割を果たす。生産的になる
職務の範囲内で主体性(自分の意見)を回復し、十分な関わりを示す。 職務遂行基準を形成し、自身の貢献領域を定める時期。一方で、独立を求める自己と帰属させようとする組織との葛藤が生じやすい時期でもある。昇進あるいは他分野への横断的キャリア成長の土台を築くための能力開発が必要となる |
5.キャリア中期
(25 歳以降) |
組織の中で明確な立場を確立していく
専門を選び、それにどれだけ関わるようになるのかを決める。あるいは管理職としての展望を持つ時期。自分自身の仕事の責任だけでなく、他社を含む、より高度な責任を引き受ける |
6.キャリア中期の危機
(35~45 歳) |
自身の抱負に照らして、自分の再評価を行う
自己の夢や希望と現実の調整。自分の人生や仕事の意味を再吟味する。 仕事を通じて自分の価値観や能力をより明確に理解する時期。再認識した価値観を重視する(転職)か、現状に留まるかの葛藤が生じやすい時期でもある。転職市場に非常に多くいる。身体を壊しやすい時期でもある |
7.キャリア後期
(40 歳~引退) |
十分な経験を積み、後輩育成など指導者的立場を担う
助言者となって他者を動かし、導き、メンバーに対して責任を負うようになる。また、経験に基づく技術及び関心を広げる時期。組織の長期的繁栄に自分の技術と才能を役立てる。他者の努力を統合し、広く影響を及ぼすようになる |
8.衰え及び引退
(40 歳~引退) |
能力のミスマッチや体力・影響力の衰えに基づく、新しい役割を受け入れるようになる
権力や責任の減少を受け入れ、組織から少しずつ距離を置き、引退の準備を考え始める時期。仕事が主ではない生活を送れるようになる |
9.引退 | 後進に道を譲り引退する。それに伴う変化、例えばライフスタイル、役割、生活水準などを受け入れ、新しい生き方を模索する時期。蓄積した自分の経験と知恵を他者のために使う |
(カッコ内の年齢はおおよその目安) ※シャイン(Schein / 1978)
自身のキャリアサイクルモデルを書いてみよう
発達段階 | 年齢 | 配属、役割 | 主な実績、今後想定されること |
1.成長、空想、探究
(0~21 歳) |
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2. 仕事の世界へのエン
トリー(16~25 歳) |
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3.基本訓練
(16~25 歳) |
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4.キャリア初期
(17~30 歳) |
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5.キャリア中期
(25 歳以降) |
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6.キャリア中期の危機
(35~45 歳) |
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7.キャリア後期
(40 歳~引退) |
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8.衰え及び引退
(40 歳~引退) |
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9.引退
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- セブンイレブンゲーム
2 人 1 組で背中合わせに立ち、『せ~の』で振り向いて両手の指を出し、2 人の出した指の合計数を“11”にする
- ワークモチベーションを考える
- ワークモチベーションとは、「仕事へのやる気、意欲、情熱」という心の状態のこと。個人の性格や環境、仕事の状況によって揺らぎ、変化するものであり、高い状態で維持し続けることは簡単なことではない
- モチベーションとは?
「ある目標(報酬)に向かって行動を起こし、維持しようとする心の動き」の総称
- モチベーションの 3 つの要素
- 喚起要素…行動を起こそうとする、行動に駆り立てる要素。欲求、願望、期待など
- 方向性要素…行動を方向付ける要素。何をするのか、どのような行動をとるのか
- 持続要素…目標達成まで、どの程度行動を持続、継続するのかを決定する例)富士山登山に対して
- 日本一の山に登ってみたい。TV で見た美しい日の出の景色が見たい
- どんなルートがあるのか?どれくらい体力がいるのか?資金はどれくらいいるのか?
- 半年後の長期休暇に実行する。体を鍛え、資金を貯めて、2 年以内に達成する
- 「やらされる仕事」から「やりたい仕事」への転換プロセス
² 『外発的動機付け』…外から受ける刺激によって行動が生じている
⇒金銭的報酬、昇進・昇格、他者(上司、同僚、顧客等)からの評価、賞賛など
² 『内発的動機付け』…自らの内面から湧き上がってくる情熱や思いによって行動が生じる
⇒仕事の達成感、成長しているという実感、自分の能力に対する自信(有能感)など
- 『内発的動機付け』は活動それ自体が満足の源となる。好奇心(その行動をもっと知りたい)、熟達(もっと上手に行いたい)、挑戦(もっとやってみたい)などの要素から成り立つ。よって『内発的動機付け』は、仕事への創造性や積極性をもたらすものと考えられる
- 『外発的』→『内発的』に変容するプロセス(営業職の例)
上司からの命令 契約を取らない 営業の仕事は会社 契約をたくさん取 営業の仕見込み客先へ と辞めさせられ にとって重要だ。 る。成功例が増え 事が好き行かされる るかもしれない もっと働かなきゃ る。実績が出る 楽しい
ただし、「(この業務を)いつまでやり続ければよいのか?」というような、先が見えない仕事、業務はダメ。具体化させる
Ø働く人が持つ欲求から考える
モチベーションを人間の動作や作業態度などの外面に表れた振る舞いからではなく、人間の内面にある基本的欲求から捉えようとした考え方がある
- 人間の基本的欲求(マズローの欲求階層説)
|
- 仕事の場面での欲求階層とリーダーの関わり例
欲求の段階 | リーダーの関わり例 | |
成長欲求 | 人間らしく生きることや成長を求める欲求
自分や環境に対して創造的、生産的であろうとする欲求 |
自己実現を引き出す
・目標の明確化 ・達成までの支援 ・機会を与える |
関係欲求 | 人間関係(上司、同僚)の維持と発展を求める欲求 | 承認
・認める>褒める ・行動を強化 ・安心、信頼関係 |
生存欲求 | 賃金、物理的な労働条件(勤務地、労働時間、設備など)を求める欲求 | 職場環境の改善 |
マネジメントスキル~チームへ働きかける力「リーダーシップとフォロワーシップ」~
- 他者に影響を与えようとする人物をリーダーと呼び、影響を受ける側をフォロワーと呼ぶ。「リーダーシップ」はリーダーとメンバー間にある影響力の流れであり、働きかけに対する受け入れ、実行するというやりとり(対人的な相互作用)の中に生まれる現象を指す
- リーダーシップ=影響力→上下左右に影響を与えられる、組織集団の誰もが取り得る
- 自身のモチベーションを知る
→メンバーのモチベーションを捉える、引き出す、につなげる
- フォロワーシップ=追い風を吹かせられる人←今は特にコチラに注目が集まっている
- 自身の考えたかのクセを知る
→メンバーへの関わりに活かす、メンタルヘルスに活かす、視点変換への気付き
- 良きリーダーとは、良きコミュニケーター。リーダーには「リーダーシップ」と「フォロワーシップ」の両方が必要。“させる”、“任せる”、“確認する”の実行
- 「リーダーシップ」と「フォロワーシップ」は、役職や階層に固定するものではない。組織のリーダーは「リーダーシップ」と「フォロワーシップ」を目的、対象者、状況に応じて発揮していく必要がある。フォロワーシップの方が現代のリーダーには必要とされている
メンバー育成 | 目標の達成に向けて働きかける
《リーダーシップ》 |
受け入れ、実行する
《フォロワーシップ》 |
入社 3 ヶ月目 | 〈上司〉
・目標を決定し、業務を示す進捗を 管理する ・必要な知識や手順を教える =ティーチング |
〈部下〉
・指示通りに作業を行う ・新しい知識、技術を習得する |
入社 1 年目 | 〈部下〉
・自ら改善点を発見し、問題提起を する ・自身のアイデアや意見を伝える・実行可能なプランと手順を提示 し、実行に移す |
〈上司〉
・必要な情報のフィードバック ・適切な評価と承認 |
チームにて | 目標の達成に向けて働きかける
《リーダーシップ》 |
受け入れ、実行する
《フォロワーシップ》 |
上司に業務知識や経験が豊富な場合 | 〈上司〉
・目標を決定し、業務を示す進捗を 管理する ・必要な知識や手順を教える |
〈部下〉
・指示を受け、作業を行う ・新しい知識、技術を習得する |
部下に業務知識や経験が豊富な場合 | 〈部下〉
・自ら改善点を発見し、問題提起を する ・自身のアイデアや意見を伝える・実行可能なプランと手順を提示 し、実行に移す |
〈上司〉
・組織の目標、方向性を示す ・必要な情報のフィードバック ・適切な評価と承認 |
チームビルディング
チームビルディング
【チーム対抗ゲーム】
・用意するもの…22 枚の A4 用紙、ハサミ、セロテープ 20cm
・ゲーム内容…20 枚の A4 用紙とハサミ、セロテープを使い、一番高いタワーを作る
・ゲームの流れ…5 分間の作戦タイム中に 2 枚の紙を使ってみんなで考え、その後 5 分間で作る。
1 回目終了後、再度 5 分間の作戦タイムをとり、2 回目を実施
・ゲームの目的…チーム内での目標の共有など、チームワークに必要なことを学ぶ
- 監督者としてのリーダー社員の役割
業務の遂行 | 人材育成 |
¨ 目標の設定業務目標、チーム目標、個別目標を決める。
またはそれらを決定する経営者、管理者の補佐をする ¨ 目標の達成 メンバーが自ら進んで仕事に取り組み、目標を達成できるよう働きかける ¨ 風通しの良い職場作り 日頃から報告・連絡・相談ができ、情報の共有化、情報交換、改善提案が活発にできる環境を作る ¨ チーム力の向上 より良い人間関係を築き、チーム力を強化する |
¨ 能力の向上
チームと個人の目標を達成するために、メンバー一人ひとりの能力を高める ¨ メンタルケア 仕事を進める上での不安や違和感など、メンバーの相談に乗り、精神面をフォローする |
問題、課題解決のスキルを磨く
- 問題、課題を整理する
- 問題、課題リストをつくる
- 問題、課題の優先順位を考える
緊急 | 緊急ではない | |
重要 | 優先度が高い
→速やかに処理をする |
→中長期的な計画を立て、主体的 に取り組む |
重要ではない | →簡潔に処理する
→他の人に依頼する |
優先度が低い
→やらなくても良いことを見つけ ることも大切 |
- 解決策を決定する
- 解決策をできるだけ多く考える=アイデアの拡散
- 解決策を絞る=解決のためのアイデアは初めから絞り込まず、できるだけ多く出していく。 解決策を絞り込むときには、“効果性”と“コスト(労力、時間、お金)” のバランスを考慮する
- 行動計画を立て、具体的に行動する
- 「何を」「いつまでに」「どのように」「どの程度」を明確にすることが重要
- タイムマネジメントへの応用
lタイムマネジメントの流れ
- 現状把握(記録する)
- 仕事の重要度を分析
- 仕事の優先順位をつける
- 仕事を計画する
- 仕事を実行する
- 結果を検証する
- 仕事を減らす
- 仕事を手放す
→その仕事は誰(チームやお客様)のためになっているか?役に立っているか?
→自分の今の目標に合っているか、どれだけ有効か?
- 人に任せる
- うまく断る
- 短時間で処理できる方法を生む、単純化する、処理能力を上げる
- セルフマネジメント「心のクセ(認知)」~感情がストレスを生む~
- 人がストレスにさらされた時、その感情の行き先が“相手に向く”のか、“自分に向く”のか、
“周りに向く”のか、自分の心のクセを読み解く
- 認知(考え方、捉え方) 私たちはある出来事に対して、感情が反射的に動くように思えるが、実はその感情を生み出
- 様々な状況で瞬間的に浮かぶ考えやイメージのことを『自動思考』と呼ぶ。『自動思考』はこれまでの経験上で蓄積してきた自分なりの判断軸や物事の見方から発生する。このフィルターを通して気持ちが動き、身体反応や行動へとつながる
- このフィルターが偏りやゆがみを持っていると、ストレスや悩みにつながっていく。特に不快な感情が生じた直前の自動思考は、非論理的で不合理なものになる傾向にある。自身の認知のクセに気付くことにより、思考のゆがみを修正し、ストレスケアやコミュニケーションに活かしていく
- よくある認知のクセ
- 「考え方の飛躍」…はっきりとした根拠もないのに悲観的な結論を出して、起こってもいないことに対して不安を先取りしてしまう
例)『~だったらどうしよう』『悪く思われているのではないか』
- 「過度の一般化」…わずかな出来事から広範囲のことを結論付けてしまう。一つ良くない出来事があると、『いつも決まってこうだ』などと全てに通じているかのように考える
例)『どうせうまくいかない』『以前やったがうまくいかなかったので、次もうまくいくわけがない』
- 「白か黒か思考」…物事を全て白か黒か、良いか悪いか、両極端に分けようとする。非効率なまでに完璧を求め過ぎる
例)『全てが完璧にできないと気が済まない』『完璧にできない私はダメな人間だ』
- 「~べき思考」…『こうあるべき』『そうすべきではない』など、自分の基準を強く求めて相手や自分を責める。結果、イライラしたり無理をしたりする
例)『(予定変更に対して)~であるべきなので対応しない』『認めるべきではない』
- 「拡大解釈や過小評価」…うまくいかないことばかりに注目し、失敗を拡大解釈する。成功したことは忘れるなど、過小評価する。良い出来事も否定的な見方をしてしまう
例)『(些細なミスを)取り返しのつかない大失態だ』『(終わったことをいつまでも)あの時の失敗は~』
- 「自己関連付け」…本来、自分に責任のない失敗や不幸な出来事も、全て自分のせいにしてしまい、原因を必要以上に自分に関連付けて追いつめてしまう
例)『(自分に関係のないことなのに)私が悪い』『私がいなかったら~』『(他人のミスに)私が原因だ』
- バランスの良い考え方のために~『自分に反論する』~
- 自身の感情や行動をマネジメントするために、その感情を誘発している自分の考え方やその背景にある価値観について探っていき、自身に問いかけ、見直してみると、自分の認知のクセにとらわれ過ぎずに柔軟な対応ができるようになる
- 事実、現実に基づいて考える自身(他者)が考えている根拠と反対の根拠を考えてみる例)『本当にそうだろうか?』『それは事実だろうか?』
- 「認知(考え方)のクセ」のアンバランスに注目する自分に問いかけて“自動思考”を再度考え直す。自分のどのような経験や価値観が感情のもとになっているのかを探る
例)『以前、同じような経験はなかったか?その時はどうだったか?』
- 視点を変えてみる別の考え方がないか探る
例)『そういう考え方もあるかもしれない』『仮にそういう考え方をしたとしたら…』
『○○さんがここにいたら、どうアドバイスしてくれるだろう』『何のためにこれをやる のだろう?』『自分はどんなことを心配しているのだろう?』
- フォロワーシップのためのコミュニケーションスキル
-
- “任せる”ポイント
- 内容と期限、理由を明らかにする
- 曖昧な指示では取り組めない。しかし事細かに指示しては自主性を失う。『何をして欲しいか?何故なのか?いつまでか?』という目標は明示しつつ、やり方は任せる
- やり方を押し付けない 自主的に取り組んだ方が良い成果を上げる。信じて任せると期待以上の成果が上がることも多い。任せた以上は事前に決めた期限や途中報告は守らせるが、やり方は口出ししない。
- また、時間経過は指示する側の方が早く感じるもの。スタートが遅くても待つことが必要
- 「わからなければ聞きに来て」は NG
- 『困ったら相談に来るはず』は甘い考え。指示を出した後も進捗状況は定期的、継続的に確認する。また、わからないところを聞きに来た時は責めることなく、まず疑問に答え、どこまでわかっているのかを確認する
- 失敗に備える 失敗を通した成長があるとしてもミスをした時のことを想定しておく。必要に応じて上司や他のメンバーに根回ししておくことも重要
- 責任は分担する 最終責任は上司がとるが、遂行責任は部下にある。指導対象者に対しては逃げることなくやり遂げるよう、指導者として支援する。また、取り返しのつかないことに至る前に、指導対象者へ与える責任の大きさをコントロールする
- “させる”…『指示待ち型』から『自発型』への育成
- 元々持っている“能力、考え、意欲”を本人自らが進化させ、主体的に目標を達成できるようになることを目指して支援する。そのために『自己の強みや弱み』『課題や解決策』に自ら気付き、発見できるように働きかける
- “任せる”ポイント
- 基本的な心構え…指導者と指導対象者は対等な関係。相手に考えさせ、気付きを与え、答えを導き出すパートナーになる
- 情緒的サポート…共感的な理解で見守る。傾聴が重要
- 道具的サポート…業務量のコントロールやスケジュール調整
- 情報的サポート…必要情報のフィードバック
- 評価的サポート…適切な評価と承認(褒めること)
- メンバーの仕事に対する『成熟度(発達レベル)』によって、効果的なリーダー行動は異なる。例)新入社員や異動により初めて業務に従事するメンバー=経験がない人=ティーチング例)日常の中の基本業務ができるようになったメンバー=経験がある人=コーチング
- ⇒ 気付きを促し、答えを導き出す『質問・対話型』…《支援的行動(関係志向に対応)》
- ⇒ 答えを教える『指示・命令型』…《指示的行動(課題達成志向に対応)》
- 指導対象者の“意欲、能力、経験”や業務の“難易度、重要度”に応じることが重要
- “確認する”…気付きを促し成長させる、アクティブリスニング(積極的傾聴) アクティブリスニング(積極的傾聴)とは、受容的な姿勢と共感的理解で相手の話に耳を傾け、その言葉の中にある事実や感情を積極的につかもうとする聞き方のこと。指導者自身が指導対象者と共に感じ、考え、問題の本質を明確にしていくプロセスを共有することで、指導対象者が自ら解決できるように支援する
- 【アクティブリスニングの流れ】
- 話しやすい距離、位置、姿勢、表情、目線などを整える
- 『うなずき』『相づち』『励まし』
- 伝え返す
- 『繰り返し』『言い換え』
- 言葉をそのまま返す~相手が使ったそのままの言葉(特に語尾)で返す
- 事実を返す~相手の話の中から、事実を受け止めて言葉を返す
- 感情を返す~相手の気持ちを受け止めて、感情の言葉を返す
- 言い換えて返す~相手の気持ちを受け止めて、聞き手の言葉で返す
- 『要約』
- 話し手の話をまとめて返す。聞き手の感想や意見は先に言わない
- 『繰り返し』『言い換え』
- 質問
- オープンクエスチョン&クローズクエスチョン
オープン | クローズ | |
相手が自由に答えられる質問 | 『はい』『いいえ』で答えられるなど、限定される質問 | |
メリット | 様々な答えが期待できる詳しく聞ける
話し手が主体になり、感情や考えを聞ける |
簡潔に聞ける
聞きたい事を直接尋ねられる 答えやすく、話し手に負担をかけない 会話を聞き手がリードできる |
デメリット | 答えることが面倒になることがある
あまり話さない人には有効でない |
聞きたいことしか把握できない相手を誘導してしまう
話し手が受け身なので、責められている感じになる |
効果的な活用場面 | 相手に考えさせたい、気付かせたい時
深く掘り下げ、具体化したい時多くの情報を引き出したい時 |
事実、意見を確認したい時合意や決意、決断を促す時選択肢を絞り込む時 |
会話例 | 「○○についてどう思いますか?」
「具体的にどんなことがありましたか?」 |
「これはできますか?」
「好きですか?」 「○○をしたことがありますか?」 |
- 未来&過去質問、ヒト&コト質問
- 未来質問…未来に向かう質問
- 過去質問…過去のことを尋ねる質問
- ヒト質問…ヒトに向かう質問 ←糾弾になりやすい、言い訳を導きやすい
- コト質問…事柄に向かう質問 ←客観的に答えられ、本質に近づける例)期日に間に合わなかった場面にて ⇒過去+ヒト質問 ⇒過去+コト質問 ⇒未来+コト質問
- …原因(過去)を考えないと答えが出ず、客観的前向きに捉えられる
- 「今後、間に合わせるためにはどうしていけば良いと思いますか?」
- 「間に合わなかった原因は何だと思いますか?」
- 「どうして間に合わなかったのですか?」
- クレームのお客様にはコト質問+オープンクエスチョンで
- フィードバック、承認
- 肯定的、建設的に伝える
- I(私)メッセージで伝える…“私”を主語にして伝えると、相手の気持ちを受容した上での別視点のメッセージになり、指摘や改善点を素直に受け取りやすくなる例)「自分には出来ないと思うんです」→「きっと君にはできると私は思うよ」 「あなたはそんなつもりではなかったと思うけど、私には○○のように感じた」
- 「私には○○のように伝わります(聞こえます)が、いかがですか?」
- 「一般的にはその考え方もあると思うけど、私は○○と思うよ」
- フィードバックは“プラス”→“マイナス”の順番で伝える
- 具体的に良い点を挙げてから改善点を伝えると、相手のやる気を喚起することができる 「今回のプレゼンは声が大きくて明るい印象で、お客様に伝わったと思います。しかし、データの根拠が乏しくて購入意欲につながらなかった点が残念でした。調査状況をもう一度見直して改善しましょう」
- 例)「とても丁寧にできていると思います。でも締め切りを過ぎた点は良くなかったので、作業の初めに出来上がり時間を決めてやってみましょう」
- 商品の特徴は“マイナス”→“プラス”の順番で伝える
- フィードバックの有効なタイミング
- 目標に向かって順調に進んでいる時
- 行動に変化が見られた時
- 目標に向かう行動がうまく進められていない時、あるいは止まってしまった時
- 任せた仕事が終了した時
- フィードバックを求められた時
- 承認のポイント
- 成果につながった行動について褒める ⇒行動する意欲を強化することができる例)「資格が取れました!」 ⇒ ◎「合格したんだね!どれくらい勉強したの?○○も勉強したなんて頑張ったね!」
- ⇒ △「頑張ったね!」
- 成果だけでなく、どのような行動が成果につながったのかに目を向ける
- 成果が出たらその場で褒める、またはできるだけ褒める
- 相手の行動の変化を認めて声をかける。行動を褒めると習慣化する
- 本人が見られていると思っていないことを褒めると承認効果が高くなる
- 他のメンバーの前で褒める(叱る時は他のメンバーがいないところで)
- 肯定的、建設的に伝える
転機を活かすために~偶然をチャンスに変える~
- 『計画された偶然』理論(プランド・ハプンスタンス・セオリー)いつチャンスが来てもいいように、予め準備しておく。心構え
- 偶然の出来事は人のキャリアに大きな影響を及ぼし、且つ望ましいものである。予期せぬ出来事をキャリアの機会ととらえることができたとき、その出来事を『プランド・ハプンスタンス』となる ※クルンボルツ(krumboltz / 1999)
- 偶発的な出来事を『偶然をチャンスに変える』ための 5 つのスキル
- 好奇心…新しい学びの機会を模索せよ
- 持続性…失敗に負けずに努力し続けよ
- 柔軟性…姿勢や状況を変えよ
- 楽観性…新しい機会は必ずやってきて、それを自分のものにすることができると考えよ
- 冒険心…結果がどうなるか見えない場合でも行動を起こせ
- 実りある想定外の出来事=チャンスを作り出す行動キャリアは予測できない偶然の出来事によって決定されるので、偶然を味方につけ、望ましい偶発的な出来事を自ら仕掛けていくことが重要である
- 行動計画や目標を立てて実行することがキャリアデザインの要。しかし、誰しも自分の未来を確実に予測することはできない。予期せぬ出会いや出来事に遭遇し、行動計画や目標が変わることもある
- キャリアの悩みを人に相談する、その幅を広げる
- 例)ネットワークを作り、様々な人と交流し、関係を築く
- 学び続ける
- 例)興味を持ったことを調べる。資格取得など、自己啓発に取り組む
- 新しいことに挑戦する
- 例)新しい趣味を見つける。通勤時にいつもと違う道を通ってみる
- プロジェクトに参加する
- 例)社内プロジェクトに参加する。イベントに参加してみる
- その他、キャリアの幸運を作り出すヒント※ 常にベストを尽くして仕事をする。それは後で返ってくる※ 感性を大事にする
- ※ 自分が望むものを声に出す、伝える
- ※ 未来は今、ここから始まるということを理解する
- 節目のキャリアストレス(心理的危機)
- リアリティショック 新たに職に就いた時、期待(理想)と現実の間に生まれるギャップにより衝撃を受けること。キャリアの初期段階では、イメージと現場の違いを消化しきれず、不安や幻滅、喪失感を強め、時には離職に至る問題に関わることもある
- 中期キャリア危機 当初の自分の夢や希望、抱負と比較して、今の現実や将来の可能性にギャップを感じて葛藤すること。中堅として仕事を実際に動かすのと同時に部下の指導も行い、職場に適応し、キャリアを培ってきた人が経験することが多い。また、後期のキャリアの方向性に迷いを生じることでも起こる。
- 方向性の主な 2 つは、①管理職になり経営的視点で会社の方向性を見出していく、②知識や技術をさらに磨いて専門分野で活躍していく、というもの。これ以外の道も多様化してきてはいるが、中期キャリアの問題は、『自分がこの組織においてどのようなところまで昇進しそうか?』『どのような仕事で終わりそうか?』など、自分の後期キャリアが見えてくると認識することにある。場合によっては今まで培ってきたキャリアを無にしてしまう判断(離職転職)もあり得ることから、職業人生の残り半分に影響する重要な節目であり、意味のある悩み、葛藤の時期と言える
- 30 歳前後(特に女性、“プチ更年期”とも称される) 初期キャリアから中期キャリアに移行する時期に相当する。初期キャリアで実績を上げ、会社から次の段階の課題や役割を求められた時にどのようにすればよいのかという戸惑いや、できないことを求められているというストレスを抱え込む、等の例もある。
- また、ライフキャリアにおいても、結婚や出産など、人生における重大な決断を迫られる時期でもある
- 転機を乗り越えるために~トランジションモデル~ 次の図は、人生の様々な転機を人はどのように乗り越えていくのか、という視点から構築されたモデル。人生の転機は新しい何かの始まりとして捉えることが多いが、転機における『それ以前のこと』の“終わり”をしっかり受け止めることが大事であると考えられている
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- 離脱…それまで慣れ親しんできた場所や社会的秩序から引き離されること
- アイデンティティの喪失
- 幻滅…それまで自分を取り巻いていた世界が、もうそれまでのようではないことに気付く
- 方向感覚の喪失…人生の方向性を見失い、どこにいるのかわからなくなる感覚に囚われる
- 中立圏の段階(空白) 新しい始まりの前に、一時的な喪失状態に耐えなければならない時期とされる。それまでとは違う意識変容や空虚感を味わったりする場合もあるが、次の段階を迎えるために必要なプロセス(葛藤)。この移行期間に自己と向き合い、今までの考え方を少し変えてみることや、たとえ失敗しても新しいことを試すこと、他者の協力を得ることなどの経験が重要となる
- 開始の段階(新たな始まり) いつから開始されたのかが目立たず印象に残らない形で生じるとされる。内面的に今後の生き方に向けての観念やイメージが出現し、それらの共通的要素の集まりが再統合され、新しい始まりに向かっていく段階
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- 転機を乗り越えるために~転機へのマネジメント力を高める~
- キャリアへの転機への対処【4S の点検】 人生は様々な転機から成り立っており、それを乗り越える努力と工夫を通してキャリアが形成されるという考え方がある。シュロスバーグは、『状況(Situation)』『自己(Self)』『支援(Support)』『戦略(Strategies)』の 4 つについて、どの程度自分が利用可能かどうかを点検することが必要であると提唱している
『状況』変化の状況は?
l この状況は予期されていたか? l この転機が起きたタイミングは良いか悪いか? l 今、自分は転機のどこか?開始点?中間?終盤? l この変化が起きた原因は何か? l 過去に同じような経験はあったか? l ストレスはどれくらい感じているか? |
『自己』自分の強みと弱みは?
l 自分はどのように変化に対応しているか? l 活かせるスキルや経験は何か? l 不足しているスキルや経験は何か? l 仕事の重要性は自分にとってどうか? l 仕事と他のバランスはどうか? l 自分は人生にどんな見通しを持っているか? |
『支援』どのような支援が必要か?
l 人間関係(励まし、アドバイスなどは得られるか?) l 専門家 l 情報 l 実質的援助(金銭、住居など) |
『戦略』何を実行していくか?
l 状況を変える対応 l 認知や意味を変える対応 l ストレスを解消する対応 |
※シュロスバーグ(Schlossberg / 1989)
- 環境変化に適応できる力『キャリアアダプタビリティ』 ※サビカス(Savickas / 2002)変化の激しい今日の社会環境下で、刻々と変わる状況に適合するために必要とされる能力
- 関心…働く人としての自分の将来に関心を持つ
- 統制…将来の職業生活についてのコントロール力を高める
- 好奇心…自己の可能性を探求する好奇心を持つ
- 自身…自分の大きな志を追求する自信を持つ
- その他
- 『やらなければならないこと』が増えると、仕事の意義が見出しにくくなる仕事に対する満足度が高い
- 上司を動かすことができなければ、部下は動かせない
- 人は頭の中で 1 日 2 万回つぶやいていて、解決したら頭の中から消えていく
- 怒りの感情そのものは 6 秒で消える
- 以上いろいろと勉強しました。